歯周病治療・予防歯科
歯周病治療・予防歯科
※すべて保険適応です!!
歯周病とは、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)から細菌が侵入し、歯肉に炎症を引き起こしたり、歯を支える骨(歯槽骨)などが溶けたりする病気です。歯を失う原因として、虫歯よりも多くの割合を占めています。炎症が歯肉だけに留まっている状態を「歯肉炎」、炎症が歯槽骨や歯根膜にまで広がっている状態を「歯周炎(歯槽膿漏)」といいます。虫歯と異なり痛みがなく、気づかないうちに進行する特徴があります。歯周ポケットが深くなっていくと、歯肉が腫れたり、歯がグラグラしたりして、ものが噛めなくなり、歯が自然に抜け落ちるほど重症になることもあります。歯周病は大切な歯を奪ってしまうだけでなく、全身疾患とも深い関わりがあることが指摘されています。歯周病菌が口の中から血流に乗って全身をめぐることで、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、早産などを引き起こしてしまう可能性があります。「たかが口の病気」と放っておくと、健康寿命を縮めてしまうことがありますので注意が必要です。
歯みがきを中心としたセルフケアはもちろん、歯科での定期検診でお口のチェックやプロフェッショナルケアを受けて、歯周病の早期発見・治療を心がけましょう。
このような症状がある方は歯周病の可能性があります!!歯みがきを中心としたセルフケアで改善しない場合、お早めの受診をお勧めします。
歯周病の主な原因は、歯と歯ぐきの間にたまるプラーク(歯垢)です。 プラークは、多くの種類の細菌が増殖してかたまりとなったもので、ブラッシングが不十分だったり、砂糖を過剰に摂取したりすると、細菌がネバネバとした物質を作り出し、バイオフィルムという粘膜性の膜を形成します。歯の表面のバイオフィルムは、毎日の歯みがきと定期的な歯科受診によってコントロールが可能ですが、歯と歯ぐきの間に深い歯周ポケットがあると十分にクリーニングできず、細菌が産生する毒素が歯周組織を刺激し、慢性的な炎症反応を引き起こします。これが歯周病と呼ばれる状態です。 プラークは取り除かなければ硬くなり、歯石という物質に変化して歯の表面に強固に付着します。歯石はブラッシングでは取り除くことができません。歯科医院で超音波や専門の器具で取り除いていきます。
歯周病の直接の原因はプラークですが、口腔内の環境や生活習慣の中に、歯周病になりやすくなったり、悪化させたりする危険因子が潜んでいることが知られています。この因子が重複することで、歯周病の発症リスクが高まります。とくに口の中の清掃不良に加え、喫煙などの生活習慣、過度のストレス、体調不良による抵抗力の低下などが加わると危険です。
○プラークの中に歯周病の原因となる微生物(歯周病菌)が存在している
○口内の清掃不良
○喫煙
○プラークの付着量
○歯ぎしり、歯の食いしばり、噛みしめ
○不適合な歯冠や義歯
○不規則な食習慣
○ストレス
○免疫抑制剤の服用(免疫が低下している状態です)
○口で呼吸する習慣がある(粘膜や歯ぐきが乾燥すると、炎症が起こりやすくなります)
○年齢
○糖尿病
○遺伝
○歯肉滲出液中の物質(歯肉から滲出する組織液で、その量は歯肉の炎症の程度と相関します)
○白血球機能
など
歯周病予防は、適切な歯みがきでプラークを取り除くことが基本ですが、規則正しい生活習慣は、歯周病を寄せ付けないためにも大切です。また、生まれつき歯周病にかかりやすい体質の方もいらっしゃいますので、ご自身の体について知り、対策を講じることも大切です。
歯周病は一般的に次の段階を経て進行していきます。
【健康な状態】 薄いピンク色の歯肉で、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)がなく引き締まっています。ブラッシング時に出血しません。
【軽度歯周病】 歯ぐきに炎症が起き、歯周ポケットが深くなります。痛みはまだありませんが、ブラッシング時や硬いものを食べると出血することがあります。
<見た目の状態> 赤く歯ぐきが腫れあがり、歯と歯肉との間にプラーク(歯垢)がたまります。
【中度歯周病】 歯ぐきだけではなく、歯を支える顎の骨にも炎症が進んだ状態です。炎症が慢性化し骨が溶けはじめます。歯周ポケットが深くなり歯がグラつきはじめます。口臭もあり、歯が浮いたような感じもあります。
<見た目の状態> 全体的に歯肉が赤く腫れあがり、変色がひどくなります。
【重度歯周病】 歯根を支える骨がほとんど溶けています。歯周ポケットがかなり深くなり、歯のグラつきも、歯根が露出することでさらにひどくなります。口臭がきつくなり、膿も出て、放っておくと歯が抜け落ちてしまいます。
<見た目の状態> 歯肉は赤紫色で、歯と接している歯肉がさらに腫れあがります。歯と歯の間が広がり、食べ物もよく詰まるようになります。
慢性的に歯周病にかかっていると、様々な全身疾患にかかるリスクが高まることがわかってきました。歯周病のある部位には、歯周病菌とその菌が産生する毒素、炎症のある部位で作られるプロスタグランジンやサイトカインなどが存在します。これらが歯肉の毛細血管を通じて全身に搬送されると、脳卒中(脳梗塞)、心臓血管疾患、糖尿病の悪化などを引き起こすリスクを高めるといわれています。唾液中の歯周病菌を含む細菌が、誤って気道から気管支や肺に入ると、気管支炎、誤嚥性肺炎の原因にもなります。また、早産や低体重児出産のリスクも高くなるため、出産前の歯科検診は重要です。 歯周病と全身疾患は相互作用で良くも悪くもなります。 したがって歯周病の予防や治療は、全身の様々な病気の予防や治療につながることにもなり、健康的な生活を送るためにとても大切といえます。
歯周病の治療は、歯科医師・衛生士による検査経て開始されます。 内容は「歯周基本治療」「歯周外科治療」「メインテナンス※」にわけられ、ステップごとに再度の検査(再評価)を挟んで治療効果を確認します。 歯周病の原因は、歯に付着したプラーク(歯垢)であり、プラークを除去しなければ歯周病の進行を食い止めることが出来ません。そこで治療では、歯周病の元となるプラークや歯石を取り除く「歯周基本治療」に主眼が置かれます。患者さんご自身が行う「セルフケア(ブラッシング)」と、歯科で行う専門的な「プロフェッショナルケア」の両軸で進めます。 「歯周基本治療」は、軽度の歯肉炎の段階でも、中度、あるいは重度に進行している場合にも共通する治療です。歯肉炎や軽い歯周病であればプラークや歯石を取り除くプロフェッショナルケアを主体とした歯周基本治療だけでも治ることもあります。一方、歯周基本治療だけでは取り除くことができない歯肉の奥にたまった汚れなどには、専用の器具を使用し取り除きます。 治療後、再検査で改善が確認できれば、メインテナンスに移行します。改善が認められない場合は再治療というように、治るまで治療と検査を繰り返します。 ※メインテナンス:虫歯や歯周病などを再発させず、口内の健康な状態を維持していくための定期的な治療
1
歯周病のスクリーニング
はじめに、お口の中の状態や歯周病の進行度合いをチェックします。プラークの付着状態、歯肉の炎症度や出血、歯周ポケットの深さ、歯の動揺度などを調べるとともに、レントゲン撮影で目に見えない歯の周りの歯槽骨の状態を確認します。痛みがあれば応急処置をして痛みを取り除きます。
2
歯周基本治療
掃除指導(ブラッシング、フロッシング指導)
細菌性プラークを歯から取り除くことは、治療を的確に進めるうえでとても大切なことです。そのためにはご自身でしっかりと口の中の管理をするという意識を持つことが重要になります。掃除指導では、現状のブラッシングでどこが磨けていないのかをよく理解していただいたうえで、効果的なブラッシング方法を学んでいきます。
歯石の除去(スケーリング・ルートプレーニング)
歯科医師、歯科衛生士によってプラークや歯石などを取り除くことをPMTC(専門家による機械的歯面清掃)といい、これにより歯みがきでは取り切れない汚れを超音波スケーラーやキュレットスケーラーを使用して取り除きます(スケーリングといいます)。ルートプレーニングは、歯周ポケットの内部に付着したプラークや歯石を除去し、仕上げに歯の表面をなめらかにみがいて、汚れの再付着を防ぐ治療です。
3
歯周検査(再評価)
最初の時期からの改善状態を、再度、スクリーニングを行い確認します。この結果をもとに次に継続して行う治療を検討します。
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歯周外科治療
歯周基本治療の後の再評価で、歯石が歯周ポケットの深部に入り込んでいて除去できていない場合は、フラップ手術を行うことがあります。麻酔後、歯ぐきを切開し、歯根を露出させて、歯周ポケットの奥深くにこびりついている歯石を取り除きます。また、特殊な材料を用いて部分的に失われた骨を再生させる手術(再生療法)を行う場合もあります。
5
メインテナンス
治療が終わった後は、メインテナンスが必要です。歯周病は再発しやすい病気で、場合によって再度問題が見つかり、治療が必要となることもあります。メインテナンスは、定期的に口内や歯の周りの組織をチェックしたり、PMTCを受けたりして、口内を良い状態を維持し、歯周病の再発を防ぐものです。ご自宅でのセルフケアはもちろんですが、併せて数カ月に1回のメインテナンスをお勧めします。
現在のお口の状態を見せていただき
・痛みはないが治療が必要な所を指摘し治療を行うこと
・お口の健康維持
・お口のサポート(虫歯・歯周病の予防)
・現在のお口の状態を維持し、一生涯ご自身の歯で美味しい食事を取っていけるようにケアすること
昔は、歯が痛くなったら、歯医者さんに行こうと思う方が多かったと思います。そして、虫歯の治療が終わってしまうとそこで通わなくなってしまっていたと思います。 歯を失う原因としては①虫歯(う蝕・カリエス)②歯周病(歯槽膿漏)の2つがあります。どちらが重度になりやすく、お口により影響でやすいかというとそれは歯周病です!!なぜなら、虫歯は痛みで気づくことがありますが、歯周病は痛みを感じないことが多いからです。痛みを感じている場合はかなり歯周病が進行している可能性が高いです。
♢歯周病に軽く説明します。歯周病の怖さが分かっていただけるかと思います。
歯周病は歯ブラシでは取り切れなかった汚れ(プラーク)が原因で進行します。(30歳以上の方の80%が歯周病であると言われております。)
歯周病が軽度であれば、歯茎の腫れ・少しの出血で済み、ケアすることで改善します。
中等度・重度になってくると歯を支えている骨が溶けていきます。溶けたしまった骨は治りません!!!! 歯周病の度合いで骨の溶けている程度が違うので、重度の方の歯は支えがなくなってきているのでグラグラになっています。かなり揺れている場合は基本的には歯を残すことはできません!!
つまり歯周病のケアが大切であり、それを行うには自身で行う歯ブラシだけではケアしきれないということです!!セルフケア(ご自身でのケア)だけでなく、プロッフェショナルケア(衛生士さんによるケア)も取り入れていき、お口の健康を維持することが大切です!!
先ほど述べたようにセルフケアとはご自身での歯磨きなどのことを指します。
プロフェッショナルケアは衛生士さんや歯科医によるお口のケアのことです。
セルフケアで完全に汚れを除去することはできません!!
そのため、毎日歯みがきをしていても虫歯になってしまうことがあるのです。
また、バイオフィルム(強力に付着した多種の細菌の膜)といったものや、歯石は歯ブラシでは取れません!!
専門家の歯のクリーニングによってのみ、細菌の温床となるバイオフィルム(強力に付着した多種の細菌の膜)や歯石を取り除くことができます。
歯科医師や衛生士によるプロフェッショナルケアによってはじめて完全にお口の中がキレイになるのです。
PMTCとは、専門家が専用の機器を使用して歯を磨き上げる(Professional Mechanical Tooth Cleaning)という意味の略称です。
毎日の歯みがきでは落ちない歯の汚れやバイオフィルムを、歯科医師や歯科衛生士が、専門の器具と専用のペーストを用いて、歯面とその周辺の歯周組織から徹底的に除去していきます。このクリーニングによって、汚れの再付着の予防も期待できます。
歯石は歯垢(プラーク)が石灰化してできた硬い塊で、歯みがきなどの通常のセルフケアでは除去できません。歯科ではスケーラーという専用の器具を使用して、歯の表面や歯周ポケット(歯と歯ぐきの隙間)内にある歯垢や歯石を徹底的に除去します。このスケーリングは、初期の歯周病(歯肉炎)を改善する治療としても行います。
エアフローは歯のこびりついた汚れをしっかり落としていく、歯専用のクリーニング機器です。普段、歯みがきができていない部分を中心に、小さな粒子を吹き付けながらジェット流水で同時に洗い流し、こびりついた歯垢や汚れをしっかり取り除いていきます。ブリッジの下や被せ物、インプラントまわりの汚れなどもスッキリ落とすことができます。
粒子はパウダー状なので、歯に優しくダメージを与えません。エアフローを行ったあとは、歯の表面がツルツルします。歯垢や歯石、バイオフィルムなどの再付着も防ぎ、虫歯や歯周病などのリスクを低減できます。
フッ素塗布は小児だけでなく成人の虫歯予防にも効果的です。
フッ素(フッ化物)にはその科学的特性から、「初期の虫歯を治す」「歯のエナメル質を強くする」「虫歯菌の活動を抑える」という効果が期待できます。
定期的なフッ素塗布で歯をコーティングすることによって、虫歯を予防します。
一人ひとりお口の状態は違います。
ホームケアの指導では、各個人に合わせた歯みがきの方法や、歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスの選び方などをお伝えし、ご自宅でのホームケアをより効果的に行えるようにサポート致します。
虫歯や歯周病の原因は歯垢です。この歯垢は丁寧なブラッシングによって、大部分を取り除くことができます。ブラッシングは、みがき残しを防ぐため、1本1本の歯を優しく丁寧にみがくことが基本です。歯の表面をみがくときは、歯ブラシを直角に当てて小刻みに動かします(スクラッピング法)。歯と歯ぐきの溝は、歯ブラシを45度の角度に当てて小刻みに動かし、汚れを掻きだすようにします(バス法)。いずれも力を入れ過ぎないように注意しましょう。
歯と歯の間の汚れは、デンタルフロスを使用すると落ちやすくなります。糸状のデンタルフロスは、歯と歯のすき間に通して汚れを落とします。ホルダーがついたフロスもありますので、使いやすいものを選択してください。
歯間ブラシは歯と歯の間の汚れを落とします。様々な太さの歯間ブラシがありますので、ご自分の歯に合ったものを選びましょう。前歯と奥歯で歯と歯のすき間が異なる場合は、それぞれ太さに合わせて使い分けます。
針金のものよりゴム製の物の方が、歯ぐきを傷つけにくいです。
キシリトールは虫歯予防効果が実証されている天然甘味料で、厚生労働省から食品添加物として認可されているます。キシリトールは、ミュータンス菌の増殖や歯垢の形成を部分的に抑える効果が期待でき、食後にキシリトール配合のガムなどを摂取することが虫歯予防に有効とされています。
虫歯菌は人から人に感染します。実は、産まれたばかりの赤ちゃんには虫歯菌(ミュータンス菌)がいません。赤ちゃんに虫歯菌がうつるのは、たいていご家族からです。密接に関わるお母さんが一番手で、口移しで食べさせたり、親の箸やスプーンで食べさせたりということでうつってしまいます。
虫歯菌に感染しやすい時期は、生後10カ月くらいで乳歯列が完成して、硬いものが食べられるようになる約2歳半といわれています。
この間は赤ちゃんに使う箸やスプーンは専用のものにしたり、離乳食の際に咬み与えをしたりしないようにしましょう。
日頃の歯ブラシ習慣も大切になってきます。小さいころはお母さんが一緒に歯みがきを行うとともに、きちんと磨けているかの点検と仕上げをしてあげましょう。
小児歯科で定期検診やブラッシング指導を受けることもおすすめです。
フッ素塗布は乳歯や、生えたての永久歯には虫歯予防効果が大きいとされています。
シーラントは虫歯になるリスクが高い歯の溝を、歯科用プラスチックで塞ぎ、汚れがたまらないように処置する治療です。
乳歯は形が複雑なため、シーラント処置は効果的です。とくに奥歯の深い溝は汚れがたまりやすく、虫歯になりやすいところです。
奥歯が生え出したらできるだけ早いうちに溝をコーティングするシーラント処理をおすすめします。
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カウンセリング
お口に関するお悩みや気になっていることについて伺います。
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歯式確認(生えている歯の確認)・歯周基本検査
虫歯や歯周病の状態、また、将来虫歯や歯周病になりやすそうな部分をチェックして、ご説明します。
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お口のプロフェッショナルによるケア
お口の状態と生活環境に合わせて、食事アドバイスや正しいホームケアについて指導します。
また、歯垢や歯石の除去、コーヒーやお茶、たばこなどによる歯表面の着色除去、フッ素塗布などを行います。